歯科の感染対策は何を基準に判断できるか|施設基準という考え方

「感染対策をしています」と書いていない歯科医院はほとんどありません。だからこそ、その中身をどう見分けるかが問題になります。判断できる材料は2つあります。届け出ている施設基準と、実際に使っている設備です。
この記事の要点
- 感染対策の客観的な指標は施設基準(歯初診・外感染1)の届出です
- 歯初診=院内感染防止対策の体制・機器・研修済みの常勤スタッフがいること
- 外感染1=院内感染管理者を配置していること
- 当院はJAOS(日本口腔感染症学会)認定の感染制御認定施設です
- 設備は器具の滅菌と空気環境の管理の2系統に分かれます
「感染対策をしています」だけでは比べられない
歯科の感染対策は、外から見える部分がごく限られています。器具がどう洗浄・滅菌されているか、使い回されていないかは、待合室からは判断できません。
そこで手がかりになるのが、第三者が確認している情報です。具体的には次の2つです。
- 施設基準の届出 — 地方厚生局に届け出て受理されたもの
- 学会等の認定 — 外部団体による審査を経たもの
感染対策に関わる施設基準
| 施設基準 | 要件の内容 |
|---|---|
| 歯科点数表の初診料の注1(歯初診) | 院内感染防止対策に十分な体制の整備、十分な機器を有し、研修を受けた常勤の歯科医師およびスタッフがいること |
| 歯科外来診療感染対策(外感染)1 | 院内感染管理者を配置し、院内感染防止対策について十分な体制を整備していること |
| 歯科外来診療医療安全対策(外安全)1 | 医療安全対策の研修を受けた歯科医師と医療安全管理者を配置し、AEDを保有していること |
当院はいずれも関東信越厚生局に届け出ています。届出の一覧は 歯科の施設基準とは|当院が届け出ている9つの基準 をご覧ください。
JAOS 感染制御認定施設
当院はJAOS(日本口腔感染症学会)認定の感染制御認定施設です。学会による審査を経た認定で、施設基準とは別の観点からの裏付けになります。
器具の滅菌|4段階の工程
治療器具は、使用後に次の工程を経て再び使用されます。
| 工程 | 使用する設備 | 内容 |
|---|---|---|
| 1. 洗浄 | フレッシュケア/超音波洗浄器 | 器具を自動で洗浄し、注油する。削りカスや汚れを超音波で除去する |
| 2. 滅菌 | オートクレーブ | 高圧の蒸気で滅菌処理する |
| 3. ハンドピースの滅菌 | フレッシュクレーブ | ハンドピース専用の小型高圧蒸気滅菌器。患者さんごとに滅菌 |
| 4. 保管 | 殺菌灯ボックス | 滅菌した器具を、使用直前まで殺菌灯のもとで保管する |
特に確認したいのがハンドピース(歯を削る機器)です。構造上、内部に汚れが入り込むため、患者さんごとの滅菌が行われているかどうかで差が出ます。詳しくは ハンドピースは患者さんごとに滅菌されているか をご覧ください。
空気環境の管理
歯科治療では、歯を削るときに細かい飛沫や粉塵が発生します。器具の滅菌とは別に、空気環境の管理が必要です。
| 設備 | 役割 |
|---|---|
| 医療用空気清浄装置(メディカルライトエアー) | プレフィルターでほこりを、HEPA性能フィルターで微細な粒子を捕集。光触媒セラミックフィルターを備える |
| CO₂モニター | 室内の二酸化炭素濃度を数値で表示し、換気のタイミングを判断する |
| エアー除菌フィルター | コンプレッサーの元に設置し、タービン・ハンドピースで使う圧縮空気そのものを除菌する |
CO₂濃度の目安
| 濃度 | 状態 |
|---|---|
| 0〜800 ppm | 正常 |
| 801〜1,200 ppm | 注意 |
| 1,201〜1,500 ppm | 換気が必要 |
| 1,501 ppm 以上 | すぐに換気が必要 |
換気は「したつもり」になりやすい対策です。当院では数値で確認しながら換気を行っています。
受診時に確認できること
実際に受診された際、次の点はご自身で確かめられます。
- 院内に施設基準の掲示があるか
- ハンドピースを患者さんごとに交換しているか(診療の様子で分かります)
- 使い捨ての器材(グローブ・紙コップ・エプロン等)が交換されているか
- 滅菌された器具が包装された状態で開封されているか
ご不明な点は遠慮なくお尋ねください。当院の設備は 感染対策のページ でも公開しています。
よくあるご質問
- 歯科医院の感染対策はどこを見て判断すればよいですか?
- 施設基準の届出(歯初診・歯科外来診療感染対策1)が客観的な指標になります。地方厚生局に届け出て受理されたもので、院内掲示や地方厚生局のウェブサイトで確認できます。加えて、ハンドピースが患者さんごとに滅菌されているかも重要な確認点です。
- ハンドピースは患者さんごとに交換されていますか?
- 当院ではハンドピース専用の小型高圧蒸気滅菌器「フレッシュクレーブ」を導入し、患者さんごとに滅菌して使用しています。
- 院内の換気はどのように管理していますか?
- CO₂モニターで二酸化炭素濃度を数値で確認しながら換気しています。0〜800ppmが正常、1,201〜1,500ppmで換気が必要という目安で運用しています。あわせて医療用空気清浄装置を設置しています。
出典
※ 本記事の掲載内容は一般的な情報です。症状や適応には個人差があり、実際の治療方針は診察のうえ判断いたします。費用は2026-07-25時点の税込金額です。
※ 点検日(2026-09-01)は、監修者が記事内容を点検した最新の日付です。内容に実質的な変更があった場合は最終更新日を更新します。
感染対策について詳しくお知りになりたい場合は、診察の際にご遠慮なくお尋ねください。
- 所在地
- 新潟県新潟市東区若葉町1丁目20番41号
- 電話番号
- 025-256-8241
- アクセス
- 新潟県新潟市東区若葉町1丁目20番41号/医院前に駐車場をご用意しています
- 診療時間
- 月・火・木・金・土 9:00〜12:00 / 14:00〜18:30(午後の受付は18:00まで)
- 休診日
- 水曜・日曜・祝日※平日が祝日で休診となる場合は水曜日に診療


